オースイ・スープレックスは、相手の両腕を後方で捕らえ、後ろへ転がりながらブリッジで押さえ込むプロレス技です。
名前に「スープレックス」とありますが、元祖とされる形は相手を高く投げる技ではなく、回転を利用した丸め込みに近い技です。現代では投げる形や選手独自の変型も使われるため、試合によって見た目が異なります。
オースイ・スープレックスとは
基本形では、攻撃側が相手の背後から両腕を羽交い締めのように固定します。そのまま自分が後方へ転がり、相手の肩をマットにつけ、ブリッジを作ってフォールを狙います。
- 相手の両腕を背後で制御する
- 後方回転の勢いで相手を押さえ込む
- 最後はブリッジでフォールする
一瞬の切り返しから決められるため、体格差がある相手への丸め込みや、試合終盤の意表を突くフィニッシュとしても使われます。
元祖はアル・コステロ
オースイ・スープレックスの考案者として知られるのは、オーストラリア出身のアル・コステロです。ザ・ファビュラス・カンガルーズの一員として活躍したレスラーで、その出身地にちなむ「Aussie(オージー/オーストラリアの)」が技名の由来とされています。
日本ではマイティ井上らが使用し、近年もクラシカルな丸め込みとして受け継がれています。ただし「オースイ」「オージー」など表記には揺れがあります。
タイガースープレックスとの違い
| 技 | 主な動き | 分類の目安 |
|---|---|---|
| オースイ・スープレックス | 後方へ転がり、ブリッジで押さえ込む | 丸め込み・固め技に近い |
| タイガースープレックス | 相手の腕を制御し、後方へ反り投げる | 投げ技 |
| ジャーマンスープレックス | 相手の腰を抱え、後方へ反り投げる | 投げ技 |
完成時のブリッジ姿勢が似ているため混同されやすいものの、元祖オースイは「投げる」のではなく「転がして押さえる」点が大きな違いです。一方、現在はオースイの名称で投げるタイプの変型技が使われることもあります。
現代の使い手と変型
近年の女子プロレスでは、月山和香や瀬戸レアがオースイ・スープレックス系の技を使用しています。
月山和香は変型オースイ・スープレックスで2023年3月25日に高橋奈七永からキャリア初勝利を挙げました。スターダム公式の試合記事でも、月山の技として「O-Sui suplex」と記録されています。
選手によってクラッチ、回転、投げる角度が異なるため、実況や公式結果で「変型オースイ・スープレックス」と表記される場合があります。技名だけで同じ動きと断定せず、実際の試合映像と公式結果を合わせて確認するのが確実です。
観戦時の注目ポイント
- 相手の両腕をどのように固定するか
- 投げ上げるのか、後方へ転がすのか
- 回転後にブリッジを維持できているか
- 切り返し技として使うか、必殺技として使うか
腕の固定からフォールまでが非常に速く、決まる瞬間を見逃しやすい技です。相手の背後を取った場面では、クラッチの形に注目すると技の狙いが分かりやすくなります。
まとめ
オースイ・スープレックスは、アル・コステロを元祖とするクラシカルな技です。名前とは異なり、基本形は高く投げるスープレックスではなく、後方回転からブリッジで押さえ込む丸め込みに近い技とされています。
現代では投げる形や選手独自の変型も生まれています。タイガースープレックスやジャーマンスープレックスとの違いを知っておくと、フィニッシュまでの細かな攻防をより楽しめます。

