2025年11月8日、後楽園ホールで行われたプロレスリング・ノア「STAR NAVIGATION 2025」。この日、GHCヘビー級王座をかけてKENTAとYOSHIKI INAMURAが激突しました。結果は、YOSHIKI INAMURAがKENTAを破り、ついに悲願の初戴冠を果たすという衝撃の結末。長年NOAHの象徴だったKENTAが敗れるという事実は、単なるタイトル交代ではなく、団体の未来を映す象徴的な瞬間となりました。この記事では、この試合の意義・展開・ファン目線の注目点、そして今後の展望まで徹底解説します。
YOSHIKI INAMURAが掴んだ初戴冠の意義:世代交代と新章の始まり
YOSHIKI INAMURAのGHCヘビー級初戴冠は、NOAHにおける大きな転換点でした。
まず、GHCヘビー級はNOAH最高峰の王座であり、丸藤正道、杉浦貴、清宮海斗など歴代の名選手が築いてきた伝統があります。そのベルトを、これまで脇役と見られてきた稲村が手にしたことは、まさに“新時代”の到来を告げる出来事。
KENTAは約111日間の王座保持と2度の防衛でベルトの価値を高めていましたが、彼を倒したYOSHIKI INAMURAの勝利は“若手台頭”の象徴といえるでしょう。
特に、KENTAがNOAHとともに歩んできた歴史を思えば、彼の敗北は“時代交代”というメッセージ性を強く持ちます。
YOSHIKI INAMURAはインタビューで「KENTAさんを超えることが夢だった」と語っており、その夢が現実となった瞬間でもありました。団体内外に衝撃を与えたこの試合は、NOAHの未来を占うターニングポイントとして記憶されるでしょう。
試合内容を振り返る:17分30秒の攻防に詰まったドラマ
試合時間は約17分30秒。序盤からKENTAの打撃技が炸裂し、稲村は防戦一方の展開に。KENTAの得意技「ゲームオーバー」(クロスフェイス)で絞め上げられ、何度もギブアップ寸前に追い込まれました。
しかし、YOSHIKI INAMURAは底力を見せ、ロープエスケープから流れを変えます。豪快なラリアット、スープレックス、そして最後は得意の「DIS-CHARGE」(コーナーからのボディプレス)でKENTAを3カウント沈めました。
観客は総立ち。歓声というよりも“驚きと感動”が入り混じった空気に包まれ、後楽園ホールが震えました。
KENTAの強烈な蹴りを受けきった稲村のタフネス、そして反撃に転じる冷静さ——この試合は単なる勝敗を超え、“受けと返し”の美学が凝縮された名勝負といえます。
ファン視点で見る注目ポイント
技の受けと返しに注目
KENTAの代名詞であるストロングスタイルの打撃を受けきったYOSHIKI INAMURAの姿勢は、まさに“王者の器”でした。特に、エルボーと蹴りのラッシュを真正面から受け止めたシーンは印象的。
フィニッシュ技「DIS-CHARGE」の象徴性
YOSHIKI INAMURAがこの技で勝利したことは、自分のスタイルを貫いて頂点に立ったことを意味します。KENTAのような万能型ではなく、己のパワーで勝つ姿がファンの心を掴みました。
ストーリーとしての感動
KENTAという偉大な先輩を越えたYOSHIKI INAMURA。プロレスとは勝敗だけでなく、そこに至るまでの“物語”が重要。この勝利はYOSHIKI INAMURAのキャリア全体を照らす一歩です。
今後の展開:次の挑戦者とNOAHの未来
YOSHIKI INAMURAは試合後、清宮海斗を次期挑戦者に指名。11月21日の「CROSS OVER 2025」で初防衛戦が決定しました。
清宮は元王者であり、若手世代のトップ。つまり、“新世代対決”が次の舞台で実現します。
一方で、敗れたKENTAも黙ってはいません。試合後コメントで「俺は終わらない」と語っており、再挑戦や他タイトル戦線への再浮上も予想されます。
これにより、NOAHは“ベテランvs次世代”という構図から、“新世代同士の覇権争い”へと物語が進んでいくでしょう。
YOSHIKI INAMURAが防衛を重ねれば新たなNOAHの象徴となり、短期で陥落すれば“若手王者の試練”として語られる。
この不確定さこそ、現在のNOAHの面白さであり、ファンが追うべき最大のポイントです。


